MAEHIROBLOG.

大学病院勤務の理学療法士。慢性疼痛や心臓リハビリに関する情報をまとめています。

看護師の腰痛にこだわる訳

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“腰痛の評価 ”といっても多岐に渡ります。何を目的にするかによって評価は変わってきます。今回の調査の目的は前回のブログでも書いたように、看護師の腰痛状況の把握です。これが主目的になります。他にも色々とみてみたいことがあるのですが、ややこしくなってしまうので、それは次に置いておきます。

 

なぜ看護師の腰痛にこだわるのか

それには少し理由があって、当院では新人看護師向けに移乗・介助技術研修なるものを行います。そこで腰に負担のかからないような介助方法などを僕たち理学療法士が主体となって指導する訳です。

僕も何度か参加したことがあり、その場では上手に出来ていても病棟に出てしまうと、全くその方法では行われていないのが現実です。

要するに病棟に新人看護師が行くと、その病棟のやり方を教わるのです。いくら正攻法な介助方法を習って、知っていたとしても病棟のしきたりには逆らえないのです。女性の世界とはそういうもの、らしいです。笑

その「しきたり」を変えることはかなり難しいのです。

 

 

 

腰痛の知識や考え方は変えられる

ただ僕は腰痛に対する知識や考え方は変えられると思っています。そして腰痛に対する正しい知識や考え方を知ることで、もっと根本にある課題を解決することができるのではないかと考えています。

看護師は腰痛になってくださいと、言われているような職業の一つといっても過言ではありません。

しかし、ただそれを見逃していいのかというと、そうではありません。今回の職員研修を機に考え方を変えて行かなければ、と強く感じています。

 

話は脱線しましたが・・・

今回の調査では以下の項目を考えています(あくまで予定)。

  • プロフィール(年齢、身長、体重、BMI
  • 有症率(腰痛があるかないか)
  • 痛みの程度(VAS、NRS)
  • 慢性的であるか(痛みの期間が3ヶ月以上)
  • 特異的腰痛の有無(腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症 など)
  • 腰痛に対する対策(簡単な内容も)
  • 自己効力感(PSEQ-J など)
  • QOLを含む機能的評価(RMDQ、ODI、EQ-5D など)
  • 精神心理学的評価(HADS、STarT Back など)

 

これらの項目から対象者の特性などを考えて、調査項目を検討してきたいと考えています。英語ばっかりで見慣れないので、どんな評価かも少しずつまとめていきたいと思います。

 

これを機に看護師の腰痛を科学してみたいものです。