スタートバックスクリーニングツール(STarT Back screening tool)について
今回は看護師の腰痛調査(仮)に使用する予定のスタートバックスクリーニングツールについて簡単にまとめていきたいと思います。
STarT Back Screening Tool(スタートバックスクリーニングツール
イギリスのKeele Universityが中心となって開発された質問形式の評価になります。9つの質問によって、その腰痛が慢性化するかどうかを「低リスク」「中度リスク」「高リスク」に分類します。
その分類により、推奨される治療方針が提示されており、腰痛の予後(慢性化しやすいかどうか)をある程度予想することが可能になります。既に日本語版スタバも翻訳され広く使用されています。
9つの質問だけなのでシンプルで分かりやすいという利点があります。その他にも推奨される治療方針が提示されているため、今後のアクションにも繋げやすいです。
例えば、高リスクがかなり多い割合で認められた場合は、単なる腰痛指導だけではなく、社会的背景を踏まえた対応が必要になると考えられます。
そのためには看護師の働いている環境や社会背景、精神心理的ストレスの状況などを深掘りしていく必要があります。
看護師の働く環境とは
今回の調査対象に考えている、集中治療領域の看護師の環境について考えてみます。
まず看護師に共通する環境として代表的なものとして以下の2つが挙げられます。当たり前なところですが、しっかりと抑えておきたいところでもあります。
- 女性が多い
- 勤務が不規則(交代勤務制)
それとなぜか肥満の方が多い気がするのですが、この問題もいずれ考えたいと思っています(肥満は腰痛のリスクでもあるので)。
集中治療領域に限定すると以下のものが考えられます。
- 精神心理的ストレスが多い(圧倒的に患者の死を見る機会が多い)
- 介助量が多い(重症患者が占める割合が圧倒的に多い)
- 業務上の危険(ハザード)が多い*1
これらの理由から集中治療領域の看護師は腰痛の有訴率が他の病棟看護師よりも多い割合で認め、慢性化するリスクの高いのではないかと仮説を立てています。
日本看護協会も腰痛については問題視しており、色々と対策を立てているようですが、推奨しているのは補助具の活用や腰痛体操なるもので、看護師自身のセルフケアという面には目が向けられていない状況です。
どうしても看護は奉仕、自分の体は二の次という方が多いようです。悪いことではないですが、これも視点を増やしていけるとより良い考えています。
つらつらと書いてきましたが、看護師の仕事を知るために1日密着(実際に体験する)とかをやろうかとも考えています。知らないと単なる想像でしかないので、、
また、思考過程のメモとして少しずつまとめていきたいと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。